解決事例
6. 期間途中解雇
期間途中解雇
- Iさんは、会社と1年間の有期労働契約を締結しましたが、会社から業務上のミスを叱責されたうえ、もうIさんとの雇用契約を継続できないと言われ、6か月目で期間途中解雇されてしまいました。
Iさんは、業務上のミスがあったことは認めるものの、期間途中で解雇されるほどのミスではないと考え、労働審判を申立てました。
労働審判では、業務上のミスが重大なものではないと認定され、期間途中での解雇が認められるほどの「やむを得ない事由」は認められないとされ、期間途中解雇は無効であると判断されました。
解決金として、残期間分の給与総額相当額を得ることができました。
- 説明
- 期間途中解雇とは、有期労働契約の期間満了前に解雇される場合をいいます。例えば、1年間の有期労働契約の6か月終了時点で突然解雇通知を受けたような場合です。
労働契約法第17条は、「やむを得ない事由がある場合でなければ」期間途中解雇はできないと定め、厳格な制約を課しています。この条文の規定する「やむを得ない事由」があるかどうかは、労働契約法第16条の「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」との定めよりも、使用者側にとって厳しい判断がされることとなります。
もっとも、期間途中解雇の場合には、使用者側も、わざわざ期間途中解雇に踏み出すだけの解雇理由をしっかりと整えてくることが多いので、労働者側としては、使用者側が挙げる解雇理由をていねいに潰していく必要があります。
具体的には、会社側が主張する、期間途中で解雇せざるを得ないほどの重大な業務上のミス等が存在しないことや、期間途中解雇されるまでの間に、適切な注意、指導、教育等が行われなかったことなどをていねいに主張立証していくことが必要があります。
期間途中解雇を受けた場合には、有期契約の期間は安心して就労できるという期待がいきなり奪われ、非常に大きな不安に襲われるかと存じますが、お早めに弁護士にご依頼されることをお勧めいたします。