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3. 整理解雇

外資系企業におけるコロナウイルスによる業績悪化を理由とする整理解雇

F1さん、F2さん、F3さんは、それぞれ入社2~3年経つ正社員でしたが、新型コロナウイルスによる会社の業績悪化を理由として整理解雇されました。
会社が新型コロナウイルスによる業績悪化に陥ったことは真実であるようでしたが、希望退職を募ることなく、整理解雇にあたっての説明もきちんとされないうえ、なぜ他のパート従業員は全員雇用継続されるのにF1さんたちが解雇されるかも不明瞭でした。また、会社からは、1か月分の見舞金を出すから自己都合退職と扱うと言われていました。
会社側との交渉を重ね、F1さんたち3人に、内容として約6か月弱の解決金を支払うこと、会社都合退職とすることを内容とする和解が成立し、早期解決を得ることができました。
説明
整理解雇は一般にリストラと呼ばれることが多いですが、整理解雇が有効かどうかは、整理解雇が業務上必要であるか、使用者側が解雇回避努力を尽くしたかどうか、整理解雇の人選の合理性、手続の相当性という4要件(4要素)から判断されます。
整理解雇の業務上の必要性がないケースというのは、会社が業績悪化もしていないにもかかわらず、新型コロナウイルスによる業績悪化を装ったような場合です。
解雇回避努力を尽くしたかという点については、解雇はあくまでも最終手段としてやむなく選択されるものであり、配置転換、早期退職者の募集等、解雇を回避することに向けた経営上の最善の努力が必要とされる点から判断されます。整理解雇の事案で一番問題となるのはこの解雇回避努力の点です。
また、人選の合理性については、会社側が定める規定に則っているか、他に整理解雇させるにふさわしい従業員はいなかったかといったことなどが問題となります。
そして、手続の相当性については、会社側が定める規定に則っているか、整理解雇を行うことなどに関してきちんと説明が尽くされているかといった点が問題となります。
整理解雇は法的な判断のみならず、経済的・経営的な判断も問題とされ、大規模な整理解雇案件等では、訴訟で数年間にわたり重厚な審理が尽くされることもありますが、多くの事案では労働審判での解決も図られております。